ワンエクロゴ

トカラ列島への旅、海の道を行く。

こんにちは。

ワンエクガイドの木村です。

まだ世界中がコロナ禍に沈む前、2019年の12月。

僕らは2020年にスタートする予定だった枕崎-奄美縦断クルーズに向け、フェリーに乗り込みトカラ列島の魅力を探る旅に出ました。

その模様は「トカラ海道を行く」としてブログで連載しました。

しかし、2020年。

コロナの渦に呑まれ時が止まってしまった島々。

僕らの活動も大きく制限を受ける事になりました。

あれから3年。

僕らは立ち止まる事なく、やるべき事をやり続け、新しい船、ワンエクと共に再び奄美を目指します。

そして、見据えるのは更にその先の海の道。

再び動き出すニッポンのダイブクルーズ。

そこで、2019年末に掲載した「トカラ海道を行く」を再編集、再掲載します。

僕らの目指すダイブクルーズの原点を再確認、2023年の所信表明といたします。

今シーズンもワンエククルーズをどうぞよろしくお願い致します。

「トカラ海道を行く 2023新年再編集バージョン」

〜プロローグ「海道を行け」〜

子供の頃から地図を眺めるのが大好きだった。

複雑に入り組んだ海岸線や等高線、海に浮かぶ無数の島々、そして海の彼方にある巨大な大陸。

いつかこの地図に載ってる場所すべてをこの目で見てみたい、、、

そんな想いは大人になって「飛行機に乗ってるのが超苦痛、いやじっと座ってるのが超苦痛」という事実に直面し頓挫したままではあるが、それでも地図を眺めてると無性に何処かに出かけたくなる。

まあ考えてみると、昔の人は船でこの世界を巡っていた訳で。

現在のように「陸の道」や「空の道」が整備されるはるか昔、世界は「海の道」で繋がっていた。

飛行機はてんで苦手だけど、船なら何時間乗ってても苦痛じゃない僕にとって、この海の道をめぐる冒険はとても魅力的だ。

時間とお金が許すなら世界中どこでも船で潜りに行きたい、くらいに。

さて、改めて日本列島を見てみるとプレートがぶつかるエリアに点々と島が続いているのがわかる。

北海道の東からカムチャッカ半島にかけて連なる千島列島。

伊豆半島の南に続く島々は伊豆諸島、小笠原諸島を経て北マリアナまで続く。

そして鹿児島の南から台湾へと続く、大隅諸島、トカラ列島、奄美群島、沖縄、八重山諸島だ。

千島列島は室町時代までにはアイヌの人々が進出。

ロシア北方と日本をつなぐ海の道として交易が行われていた、歴史ある海道だ。

親潮ど真ん中のこの海域はぜひ潜りたいエリアであるが、現実的には難しいだろう。

誰か潜ったことあるのかな?

小笠原諸島が発見されたのは16世紀後半と言われているが、実際に人が住み始めたのは19世紀に入ってから。

まさに東洋のガラパゴス。

歴史的には浅い海の道。

この北マリアナまで延々と連なる島々をチャーター船で潜りながらルポルタージュを書いた方がいる。

元都知事、そして芥川賞作家の石原慎太郎さんだ。

「禁断の島へ」

はまさに古き良き冒険ダイビングのロマンを詰め込んだ名著。

僕もこんな冒険ダイブやってみたい!

のためにはまずは芥川賞か〜、、、

そして台湾から九州に連なる海の道。

古くはおそらく日本人のルーツとなる人々が、そして中世以降は大陸やインド洋の国々との貿易ルートとして、もっとも歴史ある、もっとも多くの人が渡ったであろう海の道。

僕らの冒険の舞台はこの世界につながるニッポンの海の道。

九州本土から台湾へ、朝鮮半島へ、そしていつかは小笠原を越えミクロネシアへ。

さらに北海道からカムチャッカ、、、

夢が膨らむ海の道はどこまでも続く。

Wonder Sea Explorerのダイブクルーズはこの海の道を探るニッポンのダイブクルーズ。

「トカラ列島」

屋久島の南から奄美の北西まで、実に160km以上に渡って連なる島々、それがトカラ列島だ。

口之島、中之島、諏訪之瀬島、平島、悪石島、小宝島、宝島の有人七島と、臥蛇島、小臥蛇島、小島、上ノ根島、横当島の無人五島からなる十島村は日本で一番長行政区だ。

その歴史は古く、日本書紀に吐火羅と記載されていたのが語源のようだ。(諸説あり)

吐火羅とは吐火で火を吐く、つまり火山を表し、羅は連なるという意味であるから、「火山が連なる」という意味に解釈でき、この列島のイメージにピッタリくるように思う。

平家の落人伝説や薩摩、琉球の争い、戦後の北緯30度(口之島の北部)以南のアメリカによる分断、本土復帰など実に興味深い歴史を持つ。

そう、ここは歴史と文化、自然、黒潮を巡る冒険というワンエククルーズ3大要素を完璧に備えている。

「枕崎から奄美へ」

九州本土の枕崎と硫黄島、口之島、中之島、悪石島、宝島を経由して直線距離で320kmもあるこの広大なエリアを潜る。

東京ー名古屋が直線距離で264kmだと言えばその広大さがわかるだろうか?

*各島間の距離(目安の移動時間)

枕崎ー口之島 145km(280分)

口之島ー悪石島 65km(130分)

悪石島ー宝島 50km(100分)

宝島ー横当島 45km(90分)

宝島ー奄美 90km(180分)

片道トータル400〜500キロの航海。

絶海の孤島の絶景は見どころだが、一度時化ると景色どころではなくなる。

Wonder Sea Explorer導入によりかなり快適になった、とは言え楽な航海ではない。

とにかく来年も夢とロマンと荷物をたっぷり船に載せて、新しい発見を求めて、僕らはこの海域で旅をする。

今まで潜ってきた島々と、新たに視察した悪石島と宝島、そしてまだ見ぬ無人島横当島を目指して。

歴史、温泉、グルメ、絶景、出会い、、、そしてダイビング。

「悪石島へ」

2019年12月。

枕崎ー奄美クルーズの下準備として未だ未踏の悪石島と宝島の魅力を探るべく、フェリーとしまに乗り込んだ。

「日本の集落の原風景、悪石島を歩く。」

夜の鹿児島港を出港して10時間。

見慣れた中之島や諏訪之瀬島が後方に霞んでいく頃、前方に悪石と名のつく、文字通りゴツゴツした岩に囲まれた島が見えてくる。

普段は月金の週2便しか出ないフェリーとしまだが、月に一度だけ水曜日に臨時便が出る週がある。

この週を選べば平日5日間で効率よく3つの島を巡ることができる。

視察に行くなら12月のこのタイミングしかない、そう思ったのは先月末のこと。

しかしこの突発的視察計画はのっけから暗礁に乗り上げる、、、

電気、道路、港湾設備などの工事が重なり島の民宿は全て満室。

研修センターも満室で、それでも入りきれない作業関係者は公民館に泊まっているらしい。

それでもどうしてもこの機会に訪れたかった悪石島。

ダイビング中港に寄ったことはあるけれど、泊まってみないと島のことは何もわからない。

役場の方に無理を言って(御免なさい)コミュニティセンターの一角に畳とマットを敷いて泊めさせて頂くことになった。

ステージまである広い集会所的な空間にポツンと畳。

今まで泊まった部屋の中で一番広かったかな(笑)

でも寝袋も簡単な調理器具も持って来てたので実に快適に過ごすことができた。

おまけに港の送迎までしていただいて、本当に感謝です。

でもここに島の観光ツアーの難しい問題が潜んでいる、と僕は思う。

トカラ列島は各島に4つから5つ民宿があるが、泊まれる人数は10人前後という小さな宿が多い。

例えば2〜30人くらい本土からやって来る、という小規模の工事でも、各宿に4、5人づつ工事関係者が入れば満室ではないけど団体客の受け入れは無理、という状況になってしまう。

宿の経営を考えれば年に数回、ピンポイントで泊まりに来る観光客よりも、長期滞在してくれる工事関係者4、5人を泊める方がはるかに効率的だろう。

団体観光客で1日、2日満室になったとしても、その為に1ヶ月滞在してくれる工事関係者を断る羽目になるかもしれないというリスクを宿の経営者としては当然考えるだろう。

実際、島で話を聞いたうち3件の民宿ではそんな先の団体の予約はちょっと無理です、直前で空きがあればいいんですけど、、、とやんわり断られた。

インターネットで世界中どこでも、1年前からでもホテルの予約が取れるのが当たり前になっている昨今の観光旅行事情からすると、特に我々のように団体で、とは言っても8名から10名程度だけど、を計画する業者としては、泊まれるか泊まれないかギリギリまでわかんない、なんて島への旅行は普通計画しない。

こんな調子では島を訪れる観光客はごく少人数の個人客だけになるだろう。

そういう状況が続けば、観光客は一向に増えないし、やっぱあてにできないな〜、と、ますます工事関係者頼みとなっていくだろうな。

離島観光の負のスパイラルだと思うんだけど、こればっかりは僕の力ではどうにもならない。

いっそ船に泊まれるようにするか、なんて思うけど、そうなると島の経済に全く貢献できなくなってしまうし、、、

今じゃなくて未来に向けて、島の子供達が将来島で誇りを持って生活する為にも、公共工事引っ張ってくるのも大事なんだろうけど、観光など島が主体となれる産業構築に投資するのも大事だと思うんだけどな〜

ちょっと脱線してしまったからもう少しだけ。

僕はこのクルーズ企画で一番重要なのは、観光客の事をきちんと考えてくれている宿との信頼関係だと思っている。

今までこんなにスムーズに運営して来れたのは硫黄島の本田旅館さん、口之島の民宿中村さん、中之島の海游倶楽部さんがいつも臨機応変に対応してくれているからだ。

ピンポイントの予約で、おまけに天候にも左右される我々を理解し受け入れてくれる宿がなければこのクルーズは成立しない。

そんな宿の信頼に応えられるように僕らは頑張るんだけど、そんな信頼関係は電話やネットで構築できるはずもなく、やはり自分で足を運んで、お酒飲んで話をして、やっと第一歩を踏み出せる。

自分の肌で感じる為に、島へ行くのだ。

悪石島はトカラ列島の真ん中あたりに位置する周囲12kmの島。

人口は約70人。

島にたどり着いた平家の落ち武者たちが追っ手が近づかないように恐ろしげな名前をつけた(諸説あり)、という断崖絶壁と原生林に覆われた野性味あふれる島だ。

旧暦のお盆の最終日に登場する3体のボゼ神は日本を代表する仮面神として、硫黄島のメンドン、青森のナマハゲと共にユネスコ世界無形文化遺産に登録されている。

船の荷役を行う島の男性たちは「悪」マークのヘルメットと背中に大きく「悪」の文字が入ったツナギを着ているため、「悪の組織の島」などと時たまSNSを賑わしているが、皆さんとてもフレンドリーで優しいです。

到着したら荷物を置いて寝床を作っていつものように散歩に出かける。

悪石島の集落のほとんどは島の南西部の高台に集中している。

集落の入りくんだ小道を歩いていると、ふと、子供の頃よく歩いた大分の田舎、海沿いの山の斜面にあった祖父母の集落を思い出した。

この懐かしさ、というか心落ち着く感覚は他の島では感じたことがない。

よく手入れされ、ゴミひとつ落ちていない路地、石垣を彩る草花、お地蔵様、鳥居、墓地。

そこかしこに宿る神の島の厳かな空気感。

そしてそんな風景に溶け込むように佇む家々。

写真を撮るのも忘れてしまうゆったりとした時間が流れる。

まるでタイムスリップしたような錯覚を、時折聞こえてくる三味線の音色や、色鮮やかなハイビスカスの花が引き戻してくれた。

港までの長い坂を下るとトカラツアーでは欠かせない島の温泉に辿り着く。

海中温泉はタイミングが合わず、砂蒸し風呂は工事中で入れずで残念だったけど、洗い場も広くて快適な内湯を満喫。

温泉のすぐ近くにビロウやガジュマルに覆われた森林遊歩道がある。

一歩足を踏み入れるとそこはまるで植物園の熱帯ゾーンか!という雰囲気。

この島にみんなできたときのことを想像しながら、夕方までひたすら歩き回る。

今回の視察は本当に素晴らしい出会いの連続だったけど、この悪石島でも素敵な方との出会いがありました。

集落散歩で最初に向かったのが、役場の方から「今度新しく民宿始める方がいますよ。」って聞いたお宅。

ちょっと覗いてみたけど忙しそうに作業されていたので一旦通り過ぎたのだけど、、、

なんというか、その後ろ姿がなんか僕の心に「ここ」だろ?って伝えた。

引き返して声をかけた。

快く家に招き入れてくれて、お茶と島のおやつを振る舞ってくれたのは有川さんご夫婦。

ご主人はボゼ保存会会長で、奥様は十島村出身者で初めて看護師になって島の医療に尽力された方だった。

「夜、遊びにおいで。」

そう声をかけて頂いたので準備していたら、わざわざ車で迎えに来てくれた。

ほんと、島の方はみなさん優しいな。

お酒を飲みながら、島の歴史や自然の事、ボゼの事、ネーシという島のシャーマン的存在の事、入道先生の事、平家のこと、島の仏教や神道のこと、、、

いろんなお話を聞けた。

僕が旅に求めている時間がまさにここにあったのだ。

この空間でゲストと、お二人と語らう夜を想像する。

きっと楽しいだろうな。

古き良き日本の集落、悪石島。

古語は辺境に残る、という方言周圏論という考えがあるが、

同じことが文化や風俗、風習にも言えるのではないだろうか?

この島の集落の美しさ、ボゼなどの祭祀、神や仏を大事にする文化、、、

古き良き日本人集落の原風景も、古語と同じように辺境に残っているのかもしれない。

そんなことを考えながら、この島を後にした。

「宝島へ」

「さあいこう 夢に見た島へと♫」

覚えていますか。

アニメ「宝島」。

ジム・ホーキンズの冒険に胸踊らした月曜日の夕方。

って言ってたら日曜日の夜だろ!ってツッコミがきそうだけど、僕の故郷大分は民放2局(当時)しかなかったので一日遅れで放送されていたみたい(笑)

原作はスチーブンソンの小説、宝島。

モデルとなった実在の海賊の一人が、キャプテンキッド。

連邦裁判で死刑宣告を受けた彼は

「俺が奪ってきた財宝は何処かって?南の島にぜーんぶ隠してきたさ。」

なんて証言したからさあ大変。

伝説の「宝島」を探す探検家達がキッドの宝の地図を片手に世界中の海へと繰り出した。

そしてその宝島はここだ、と言われている島が日本にある。

それが今回の舞台、トカラ列島の「宝島」だ。

島内には、海賊キャプテンキッドが財宝を隠したと伝えられている鍾乳洞もあり、国内外から多くの探検家や賞金稼ぎが訪れたといわれている。

さてこのお話、何かに似ている。

そう、、僕の大好きなあの漫画、、、、

「おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやるぜ… 探してみろ この世のすべてをそこに置いてきた」

おっと、話がそれそうだ。

さあ、宝島に上陸だ!

宝島はトカラ列島最南端の有人島。

周囲13kmちょい、人口は約130人。

上から見るととハート型に見える。

鹿児島港から336km、奄美からは90km。

ここまで来るともう奄美の方がはるかに近い。

トカラでは珍しく周囲を造礁サンゴで囲まれ、美しい白い砂浜もある。

トカラハブと呼ばれるハブが生息している。

縄文、弥生時代の遺跡が多数出土し、古くから人が住んでいたようだ。

江戸時代後期にはイギリスの捕鯨船(という名の大砲など強力な武器を装備した立派な海賊船)が来島。

70名の海賊が島に上陸して牛3頭を略奪するなどの暴挙に出た。

これを迎え撃ったのは在番所にいた数人の役人と、流人として島に暮らしていた2名の武士、本田助之丞と田尻後藤兵衛だ。

彼らは降り注ぐ大砲の弾をやり過ごし、敵を引き付けて奇襲をかけ海賊の頭目の一人を射殺。

見事海賊を追い払うことに成功している。

余談だが奄美やトカラ列島には多くの流人がいたようだ。

流人というと荒くれ犯罪者のイメージだが、江戸時代の薩摩藩では政争や藩主の癇癪などですぐ流罪にされる、という慣例があり、流人の多くは身分の高い武士だったようだ。

人格も教養も優れていたであろう流人を島の人は日頃から敬い、助言など求めていただろうし、彼らの持ち込む最新の知見は島の暮らしに大きな影響を与えたのでは?とも想像できる。

島の文化や風習にも影響しているのではないだろうか?

本田助之丞は事の顛末を仔細に記録しており、これを元に作家の吉村昭さんが短編小説「牛」を執筆しているので興味ある方は是非ご一読ください。

「冒険者DNAの島」

トカラ列島の各島の港にはウェルカムボードならぬウェルカム壁画がある。

大体シンプルに、よーこそ〇〇島へ、という文字と島を象徴するちょっとしたイラスト、というパターンが多いのだがこの島の壁画は違う。

まず、でかい!

これはもはや島の一部だ。

港に入る前から圧倒的な存在感で迎えてくれる。

ものすごい労力をかけてこの巨大なウェルカム壁画をつくったのだろう。

そして壁画のタイトルは「サブマリンシティ」。

そこに描かれているのは架空の水中都市に集まる架空の生物たち。

「よーこそ宝島へ」、などと言った当たり前な文言は一切ない。

島を訪れる人を迎える壁画を作ろう、って話になった時、普通は「ようこそ〇〇島へ」ってなると思う。

けどこの島の住人は違う。

港から集落に向かう坂の途中まで続くこの巨大壁画を通じて、島を訪れる人に強烈なメッセージを発信している。

「この島には夢がある。」

島に上陸した受動的な観光客は、このメッセージによって能動的な旅人に変化する。

そう、宝島に上陸したかつての冒険者のように。

こんな島だから旅人に対しても実にオープンだ。

離島でよく感じる、自分たちには自分たちのルールがありますけん、よそ者にはわからんと思うけど、、、

という閉鎖感をほとんど感じない。

いちいち誰かにものを尋ねなくても必要な情報はきちんとわかるようになっているし、さして重要で無い事は常識の範囲でやってくれればいいよ、っていう自由な雰囲気もある。

かと言って、無関心な訳でもなく、道ゆく島民の方は皆にこやかな笑顔で挨拶してくれるし、話しかければフランクに答えてくれる。

過干渉でもなく、無関心でもなく、まあ、好きなように楽しんでいいんだよという、とても心地よい寛容な空気感。

能動的で自由で好奇心が強くて寛容な精神を持つ、、、

この島は冒険者のDNAであふれている。

そして僕はそれをものすごく居心地が良いと感じる。

「冒険者の島を歩く」

さて、そろそろ宝探しに出かけようか。

港は島の北側にあり、ここがフェリーの発着場所だ。

島の東にも一つ避難港がある。

集落は港から少し坂を登ったっところに集中している。

他の島と違って若い方や子供が多い。

集落を歩いて感じるのは、本当にこの島は、いろんなことがちゃんとしてるってこと。

まず島の商店が時間通りきちんと営業している。

品揃えも申し分ない。

いやホント、他の島だといつ開いていつ閉まるかなんて誰もわかんないから。

それだけでも驚きなのに、なんと、、、クレジットカードも使えるのだ!!!

これは本当に便利。

この事実だけでも旅人のことをちゃんと考えてくれているのがわかる。

港、道路、海水浴場などの観光インフラは整備されているし、温泉、民宿、集落もとても綺麗に手入れされている。

観光案内板も実にわかりやすいし、

トカラ列島で一番洗礼されている、と言っても過言ではないかもしれません。

集落から東に坂を下るとトカラ列島では珍しい白い砂の穏やかなビーチがある。

トイレシャワー完備のコテージもあり自由に使える。

濃紺というより黒に近いトカラ列島の島々と違い、宝島、小宝島の海は沖縄のようなエメラルドグリーンに近いサンゴ礁の海の色だ。

島の北西部にある女神山は,聖地として木々の伐採が厳しく禁じられ、山麓部から山頂部にかけてタブノキ,ビロウ,ウバメガシ林という森林の変化が良く保存されており,国の天然記念物に指定されている。

美しい海岸線を見ながら少し下るとキャプテンキッドの宝が隠されている、と言われる鍾乳洞に着く。

マムシに注意だって、、、ちょっと怖いね(笑)

そしてクルーズのお約束、島の温泉も当然ある。

集落内の友の花温泉センターは週に3日営業。

赤茶色の高濃度塩化物泉で、加温されているが少しぬるめでゆっくり浸かれる。

旅の疲れが湯船に溶けていく。

「海賊王とその仲間」

さて、風呂上がりのビールでも買いに、と再び島の売店に向かうと、探索前に視察で訪ねた民宿のご主人が声をかけてくれた。

「暇なら飲みにおいでよ〜」

そういうなりキックボードで颯爽と坂を降りて行った。

おしゃれで、かっこよくて、そして実にさりげない。

もちろんお言葉に甘えた。

満室で忙しいのだろうけどそんなこと御構い無し、と行った感じで刺身を切ってくれた。

サワラ、続いてキハダマグロ。

「ビール?焼酎?まあ好きなの飲んで。」

自由だ。

テーブルの脇にはコーヒー豆が並んでいる。

見てこの種類。

好みに合わせて選べるコーヒー豆!

おもてなしの心が溢れているでしょ。

実は宝島の宿は最初から絶対ここにお願いしたいと思っていた。

だってご主人は民宿と、島で唯一のダイビングショップも経営されている方だから。

そう、宝島にはダイビングサービスもあるのだ。

そして、この方こそ、一度お話を伺いたいと思っていたトカラのレジェンドダイバーの一人で、トカラダイビング界伝説の海賊王の仲間でもある。

少しの間だったけど、本当に楽しい時間だった。

話に夢中になった僕は写真を撮るも忘れてた。(笑)

でもいいんです。

次はたっぷり時間もあるから、またゆっくり話したいな。

そう、その時はみんなも一緒に飲みながらね。

今回はこの島も大規模港湾工事中で民宿はどこも空いて無くて、しょうがなく再び島の公共施設の一角をお借りして寝袋泊だったんだけど、帰り際、

「どこに泊まってるの?明日フェリーの時間早いからさ(上り便は5時発)、この車使って港まで行ったらいいよ。遅れたら大変だからね。港に乗り捨てていいから。はい、これ鍵。」

海賊王の仲間は本当に優しかった。

クルーズで再び島を訪れる日を楽しみに、夜明け前のフェリーに乗り込んだ。

〜終わり〜

2023年、Wonder Sea Explorerトカラ列島制覇へ!

トカラクルーズ募集状況

枕崎ー奄美縦走

下り 3月15日(水夜鹿児島集合)ー21日(火奄美解散)

上り 3月22日(水夜奄美集合)ー28日(火鹿児島解散)

10月の企画は満席となりました🙇‍♂️

キャンセル待ち受け付け中です。

<トカラ列島スーパーロング>

4月14日(金夜)ー23日(日)

11月7日(火夜)ー16日(木)

<薩南、トカラレギュラークルーズ>

5月16日(火夜)ー21日(日)

6月2日(金夜)ー7日(水)

11月21日(火夜)ー26日(日)

むらいさちさんと行くゆるふわトカラクルーズ

11月16日(木夜)ー20日(月)

<宇治草垣群島と硫黄島ミドルクルーズ>

9月20日(水夜)ー9月24日(日)

10月企画は満席となりました。

<水中オーロラ、硫黄島と湯瀬ショートクルーズ>

5月5日(金夜)ー8日(月)

5月22日(月夜)ー25日(水)

6月12日(月夜)ー15日(水)

週末プランは満席キャンセル待ちとなりました。

<ワンエククルーズ過去ログのご案内>

WEB完成に伴いブログもお引越ししました。

過去ログは下記よりご覧いただけます。

シーズン2022のログ

http://sunslog.blog42.fc2.com/blog-category-31.html

2021年以前のログ

玄界灘

http://sunslog.blog42.fc2.com/blog-category-27.html

薩南、トカラ

http://sunslog.blog42.fc2.com/blog-category-26.html

「The ニッポンのクルーズ!Wonder Sea Explorer!」

舞台は九州、黒潮流域。

ワンエクはこれからも九州の海、文化、自然、歴史の素晴らしさを満喫できるクルーズを展開していきます。

2023.01.07木村 尚之

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