ワンエクロゴ

海旅ダイアリー1「Diving Cruise in JAPAN!」

こんにちは。

ワンエクガイドの木村です。

ワンエクはおそらく日本で唯一のダイビング専用クルーズボートだと思います。

例えば釣船とか漁船をチャーターしてダイビングクルーズを実施することはあると思うんですが、僕らのワンエクは「ダイバー専用船」です。

自社ボートなのでダイバーが使いやすいように、快適に過ごせるようにいろんな工夫をしています。

そんなワンエクを使った僕らの旅について少しづつ解説します。

不定期連載となりますが思い付いたらつらつら書いてみますのでお付き合いください。

僕は昔からクルーズツアーが大好きです。

初めての本格的なクルーズダイブは2004年、パプアニューギニアのミリンベイのクルーズでした。

ロブさんのMVシャータン。アットホームな船で行く未開の海の旅。

驚愕の海に度肝を抜かれました。

モルディブ、シミランも何度も行きました。

海外のリッチなクルーズ最高ですよね。

日本でクルーズ企画できないかな、という思いは1999年に硫黄島を訪れて以来ずっと持っていて、その頃チャータしていた船、アロハママ7って言うんですけど、船で移動して民宿に泊まって、というスタイルでスタートして、その延長で2013年にはトカラ遠征も企画するようにもなりました。

しかし制約も多いのです。

トカラ列島への旅「海の道を行く」でも書きましたが

島の民宿が常に公共事業で埋まっている、と言う問題は大きな壁でした。

天候もシビアな海域で思うようにスケジューリングできないこともしばしば。

この海域を自由に、思いつくままに潜れたらどんなに素晴らしいだろう、って思いつつ、それを実現する為にはみんながある程度くつろげる大きな船が必要だけど、事業としてそんなこと成り立つんだろうか、、、と言う葛藤。

いつか薩南、トカラを自由に潜れる大きな船を手に入れて、毎週のようにクルーズに出港して、、、

そんな日が来ることを思い描きつつ年数を重ねてきましたが、多分日本でダイビングクルーズ船を作って運用するのは僕にしか出来ないだろうな、とも思ってました。

これは自惚れてるとかではなく、こんな途方もないこと普通はやらない、と言う意味で(笑)

と言うことで、昨年、ついに待望のダイバー専用クルーズ船Wonder Sea Explorerを就航することができました。

これぞダイビングクルーズって言える船!だと自信を持って言いたいところですが、海外リゾートスタイルのラグジュアリーなクルーズは日本ではおそらく実現不可能です。

理由は二つ。

1.船のサイズに制限がある

日本ではまず小型船舶の規制があり、全長24m未満の船しか運用出来ません。それ以上のサイズになると免許も運用基準も格段に厳しくなります。

そして船の容積にも20トン未満という基準があります。このトンは重さではなく

内容積のことで19トンで約135立方メートルです。

JRのコンテナが30立方メートルだから4個半くらい。

この容積内にエンジンなどの機械、船室、操舵室などを全部収めてます。

限られた容積の中でいかに広く客室を取るか、小型船舶の設計は実に緻密でよく考えられています。 

「船、思ったよりちっちゃいね!」って言われたら凹みます(笑)

Wonder Sea Explorerは全長23.6m、19トンサイズです。
つまりこれが日本で小型船舶の範疇で所有できる最大サイズなんです。

海外のクルーズ船のような全長30m、客室あってレストランあってダイビング専用

スペースがあって、と言うようなラグジュアリーなクルーズは日本ではまず実現不可能ではないでしょうか。

2.人件費が違いすぎる

海外のクルーズ船は労働力も凄いです。

船長、副船長、機関士、ガイドも4人とかいて、ポーターも5、6人いてシェフも2人くらい乗ってたりしますよね。

本船と別にダイビング船が一緒に回るところもありますもんね。

ゲストよりスタッフの方が多いなんてこともあるのではないでしょうか?

しかし我々の舞台は日本です。

日本基準のお給料払わないとですから、こんなにたくさん人乗せたら大変です。

と、ダイビング業界の悪しき風習。

好きなことやってんだから給料安かろうが労働条件悪かろうがやりますよね、というのも僕は嫌いなので、スタッフがちゃんとお給料もらえる、プロとして尊敬される、そんな業界にしたいのです。

そうしないとこの業界から若いガイドがいなくなります。

(ダイビング業界の高年齢化は実に深刻です)

なので船長、ポーター、ガイド2人か3人、これが多分日本では損益的にギリギリなラインかな、と思ってます。

シェフを一人雇え?無理です(笑)

いや、でもシェフ乗船クルーズとか、実現できたら面白そうですね。

話がそれましたが、日本では船のスペースと投入できる労力に限りがある、と言うことです。

その制限内でどれだけ良いサービスをご提供出来るか、ダイバーが快適に過ごすことができるのか、冒険の範囲をどこまで広げていけるのか、を突き詰めていく為のダイバー専用クルーズ船だとご理解下さい。

島の民宿や船泊を組み合わせた日本独自のダイブクルーズスタイルを模索する。

ダイビングだけでなく、島の文化や歴史、そこに暮らす人々や自然に触れる旅としての楽しみも追求する。

これがまさに、僕らのテーマ「Exploring Japan!」 なのです。

〜続く〜

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2023.03.13木村 尚之

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