ワンエクロゴ

海旅ダイアリー3「摩天楼」

こんにちは。

ワンエクガイドの木村です。

久しぶりに福岡ダイビング界の大先輩とお会いする機会があって、「そう言えば木村くん、最近トカラガンガンやってるんだって?いいな〜。あの群青色の海、また行きたいな〜」なんて話で盛り上がった。

で思い出したんだけど、僕がまだ生意気ペーペーの頃(96、7年くらい)、その先輩も含め「トカラはいいぞ〜」って言う話をよく聞かされてた。

激流と大物。

とにかくすごい流れでね、、、、なんて話を僕は中学の先輩の武勇伝聞いて憧れる、みたいな感じで色々聞いてたんだけども、当時のダイビング雑誌といえば、3誌とも表紙は常にパラオかモルディブか?と言った感じで、ダイビングやるならまずはパラオに行かなきゃだな、なんてみんな言ってた時代。

でも「トカラ」と言うワードはずっと僕の心に引っかかってて、やっぱりトカラにハマるべくしてハマったんだな、なんて事を思いつつ先輩との話を終え、そういえば昔トカラのダイビングの歴史についてちょっと調べてブログ書いたことあったな、と思い出した。

確か2019年、東京新橋での説明会の前に色々調べたんだ。

あった。

これだ。

という事で、ちょっと再編集して掲載します。

〜2019年3月の記事 再編集版〜

「愚者の冒険譚」

しばらく前に、、、

と言っても先月の上京前だから1ヶ月ほど前の話だけど、トカラの歴史を調べていたことがあった。

「いつ頃からダイバーが訪れどんなダイビングを行なっていたのだろう?」

きっかけは、これはもう随分前の話。

フェイスブックに中之島摩天楼の写真をアップしていたら北海道のとある先輩からコメント。

「懐かしい!中之島の摩天楼だね。いつも懐かしく、そして楽しみに写真見てますよ。」

このコメントに僕はちょっと驚いたわけで。

何故かって?

僕は自分でこの海域を一から、それこそ手探りで少しづつ開拓してきて、そんで見つけたポイントに名前をつけてきたんだ!って思ってたけど、僕が「摩天楼」と名付けた場所と同じ場所を過去に潜って「摩天楼」と呼んでいたダイバーがいたってこと!

同じ感性!!

とか言ってる場合ではなくて(笑)

この一件が、将来は歴史学者になるんだろうって親が思っていたくらい歴史好きな子供だった僕の好奇心に火を灯した。

それで少し時間が取れるようになった冬、まずは中之島の海游倶楽部のオーナー、早川さんに電話インタビューを試みた。

「あ、トカラね。初めて行ったのいつだったかな。そうそう、思い出した。」

サイパンに行く予定が台風かなんかで中止になり、途方に暮れていた早川さん一行がいろいろ調べて目をつけたのがトカラ列島へのクルージング。

「出港前日の夜さ〜、中日ドランゴンズの高卒ルーキー近藤が巨人相手にプロ初登板でノーヒットノーランを達成したんだよ。」

覚えてますとも!

1987(昭和62)年8月10日だ。

つまりその頃にはもうトカラ列島でのダイビングってが確立されていたということ。

調べてみると当時鹿児島の串木野や屋久島の南から出港するトカラのダイビングクルーズは結構人気で大型のクルーザーや漁船をチャーターして多くのダイバーがトカラ列島で潜っていたようだ。

魚突いたり港でバーベキューしたり温泉入ったり中々ワイルドな企画だったみたい。

串木野を出港して奄美まで下り、ゲストを入れ替えてまた串木野まだ上る、そんな企画も当時すでに実施されていた。

90年代初頭には中之島からテレビの生中継でトカラ水中映像祭も開催されている。

今じゃ考えられないくらいどメジャーポイントではないか。

ではここまで人気だったトカラでのダイビングはなぜ廃れてしまったのか?

理由はわからないが、僕が思うのは二つ。

一つ目は海外リゾートの台頭。

二つ目はダイバーの嗜好の変化。

90年代に入ると海外のリゾートダイビングがダイバーの嗜好にマッチ。

安くて快適で楽しい海外の海と比べ、高い、行きにくい、ワイルドなトカラの人気は衰えていったのではないか?

リゾートダイバー、なんて言葉が生まれたのもこの頃では?

さて、そんな事調べつつそして迎えた東京の新橋BOXの夜。

もう40年以上前にトカラ行ってたよ、っていう参加者の方にちょっとお話をお聞きしようと思ったその席で。

「木村くん、いっぱい話す事あるけど自分で発見してく方が面白いし、君はそれが好きでやってるんだろ?」

そうだ。

その通りだ。

昔は昔。

今は今。

過去に誰かが素晴らしい発見をしていたとしても、現在それは歴史の中に埋もれてしまっている。

ならば、それを僕らは少しづつ掘り起こして行く。

これでいいんじゃないか?

ONE PIECEの主人公ルフィは言った。

「何がどこにあるかなんて聞きたくねぇ!!つまらねぇ冒険ならおれはしねぇ!!」

賢者は歴史に学ぶ。

しかしもしルフィーが賢者だったら、あれほど多くの人を惹きつける物語にはならなかったであろう。

硫黄島に初めて潜ったのが1999年。

中之島が2008年。

口之島が2010年。

臥蛇島にたどり着いたのが2013年。

それまでの経験値をひとつなぎにまとめた薩南&トカラDiscovery Cruiseをスタートしたのが2014年。

そしてWonder Sea Explorerによるトカラ全域へのクルーズに乗り出した2022年。

少しづつ版図を広げながら、回数を増やしながら、そして新しい仲間を迎えながら、水平線の向こうを目指す終わりのない冒険譚。

愚者が紡ぐ歴史のつながり。

今年もどんな冒険が待っているのか、楽しみだ。

https://wonder-sea.com/2023/03/11/%e7%a9%ba%e5%b8%ad%e6%83%85%e5%a0%b1%e3%83%af%e3%83%b3%e3%82%a8%e3%82%af%e3%82%af%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%ba2023/

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2023.04.12木村 尚之

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