ワンエクロゴ

トカラ縦走上りクルーズ~ワンエク航海記~

皆さま、こんにちは。

ワンエクガイドのかな子です。

トカラ縦走下りクルーズにて、無事に奄美大島に到着した私たち。

下りクルーズの航海記はこちらから

中休みで船の支度を済ませ、上りクルーズの出発です。

今クルーズには「枕崎まで完走する」という目的のほかにもう一つの目的が。

それは水中写真家の越智隆治さんにご乗船いただき、「北上するザトウクジラとトカラ列島でスイムする」というものです。

この季節に繁殖、子育てをしていた沖縄から徳之島、奄美大島を通り、餌を求めてロシアやアリューシャン列島などの北のエリアへ移動していくザトウクジラたち。

トカラ列島はそんな北上していくクジラたちが通るルートの一つとなっています。

ただ、トカラでは誰もスイムをする人はいません。今回スイム、撮影に成功すれば「トカラ初」となります。

越智隆治さんは日本人で誰よりもクジラと泳いでいる方。そして、ワンエクのフォトトルーパーとしても活動してくださっています。

越智さんの力をお借りすればトカラ初のホエールスイムができるかもしれない!

そんなワクワクを胸に、私たちも奄美を後にしてトカラに向けて北上を開始しました。

「今年はクジラが多いよ」

トカラの各島の方たちからそんなお話を聞いていたので、凪いでいるエリアでは移動中も捜索を続けていました。

そして、その出会いは突然に!

トカラで一番高い山を擁する中之島にて、ザトウクジラを発見したのです。

海況が良くなく、島の周辺をうろうろしながらどこを潜ろうか決めようとしていた矢先の出会い。

そのクジラは船のすぐ近くで一人で浮上してきた後、まるで息切れを起こしたかのように数回激しく潮を吹き呼吸を整えていました。そして少し焦るかのようにまっすぐにテールを上げ潜行。

いつでもエントリーできるように待機していた越智さん。

そのクジラの様子を見て迷わずにエントリー。

クジラが潜行した後、しばらく水面から姿を追う越智さん。

動きが止まった、と思ったらその手が上がりました。ホエールスイムではクジラの姿が確認できたら手を挙げるのがルール。

越智さんが声を上げます。

「ペアだ!止まっている!!」

逸る気持ちを抑えつつゲストも準備、そしてエントリー。その間も手は上がったまま。

飛沫を立てないように越智さんの元まで泳いでいくと、水深20mほどのところにクジラの姿が見えました。

その2人のクジラは向かい合わせにその場に留まりながら、寄り添いあっていました。

時折小さな歌声が聞こえます。愛の言葉を囁いているのでしょうか。

2人だけの密な時間にお邪魔させてもらい、なんだかくすぐったい気持ちになりました。

20~30分ほどでしょうか。しばらくそのまま水面からその姿をみんなで眺めていると、息が持たなくなったのかクジラがゆっくりと浮上を始めました。

私たちの近くを通る時のクジラの瞳。

この目と目が合う感覚は忘れられません。

撮影:越智隆治様

この愛おしい時間を共に過ごさせてくれてありがとう。

撮影:Yuko.Y様

動画にはクジラの歌声も入っています。

トカラ初のホエールスイム、全員でこの時間を共有出来てとても嬉しかったです。

そして、越智さんの迷いの無い判断力、確実なアプローチ、わずかなチャンスをものにする力、何と言ってもこの広い海でスイムさせてくれるクジラと出会える写真家としての強さを改めて目の当たりにしたのでした。

越智さんがいなくては、トカラ初のホエールスイムは成功しなかったと思います。ありがとうございました!!


このトカラ縦走クルーズで私は大好きになった島があります。

それは「悪石島」。

なかなか一度聞いたら忘れない名前の島です。悪の島なんて一体どんな島なのだろう……

今回は初日にこの島の港で船泊。

お散歩がてら、てくてく歩いて温泉に向かいます。

まぁまぁな急こう配を頑張って歩くこと10分ほど。辿り着いた温泉で疲れを癒し、帰りは遊歩道を通ってきました。

この自然遊歩道、まるでジブリの「もののけ姫」が棲んでいそうな神秘的な空気感です。

ビロウの葉が覆い茂り、声や足音は木々に吸い込まれていきます。

上の方からはヤギの声が聞こえ、まるで別の世界に迷い込んでしまったかのよう。

子ヤギがシシ神様のように凛と立ってこちらを見下ろしていました。

ゲストの皆さまには森の妖精になりきってもらいました。

ご協力ありがとうございますっ(笑)

島の雰囲気は神秘的ですが、どこか懐かしい感じがしました。

そして島の方たちはみんなとっても優しかったです。

フェリー入港の際に作業員が被る「悪」のロゴが入ったヘルメット。噂に聞いていたので、嬉しくて写真撮影をお願いすると快く応じてくださり、最高の笑顔で写ってくださったり(笑)

悪石島でしか手に入らない「悪T」シャツが欲しいんです、と言えば売店の方が港まで持ってきてくださったり。(売店のある集落へは歩いて行けないのです。)

数年ぶりに木村と再会したお宿のご主人は、船で寝るよりよく寝れるよ、と特別にお部屋を空けてくださり、おもてなしもたくさんしてくださりました。

会う方会う方皆さんほんとに親切で、あったかくて、今すぐにでもまた行きたくなるくらい大好きです(^_^)


魅力的な生物たちと出会い、みんなで食べて、飲んで、笑って、島の自然と人の温かさに触れ、無事に枕崎まで到着しました!

これにてトカラ縦走クルーズ、完走です!!\(^o^)/

初めての試み、夢のクルーズ。たくさんの方のおかげで最高のクルーズになりました!

ご参加いただいたゲストの皆さま、ありがとうございました!

そして、越智さん。素敵なお写真ありがとうございます!


トカラ縦走クルーズ、来年も開催します!

2024年のクルーズ予約スタート!
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2023.04.03後藤 かな子

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