ワンエクロゴ

トカラ列島縦走ダイビング下り編 ~ワンエク航海記~

こんにちは。
ガイドの木村です。
が、今回は年末年始クルーズ以来の船長ということで、船長室より航海記をお届けします。

僕らワンエクでは航行ルート、ポイントチョイス、ダイビングルートの決定など全て船長、ガイド陣でディスカッションして決めています。
誰かの意見が強いとか、いつの間にか決まってる、ということは基本なくて、長い時はポイントついてからも何度も潮チェックしたり魚のいる場所を探ったりしています。
難しい時は誰も口を開かず「、、、」
誰か口火を切ってくれよ、みたいな日もあります。
(そんな日は大抵僕がなんか喋りますが)

時に長くお待たせすることや、散々迷った挙句に「ポイント変えます。移動します。」なんてこともm(_ _)m
それもこれも毎日のように通える環境ではないトカラなので少しでも確率をあげるため、3人寄らば文殊の知恵、ではないですが独りよがりにならないポイントチョイスやルート選択、経験の蓄積ができているのでは、と思っています。(今回は2人体制ですが)

決まったルート、決まったポイント、決まった潜り方ではなく、その時その時、一期一会の海と向き合う僕らのスタイル。

そんな船長室の喧々諤諤も交えつつ今回の航海記です。

「ベタ凪は初日だけ」

航行ルートの決定は早くて2、3日前、遅い時は当日の朝になる場合もあります。
予報がコロコロ変わる上にあまり当てにならないトカラ海域では長年の経験や実際にこの目で見て判断することが多いです。

今回の予報を見るとベタ凪は初日だけ。
ということで初日はミノティラ2本ー湯瀬経由屋久島行き。
ミノティラの状況によっては1本で移動。その場合は湯瀬2本または湯瀬+野崎。
遅くとも17時までに屋久島に到着。という感じの航行プランていざ!出航!

DIVE1 ミノティラ(水温20度)
2人とも潮は北か北東、ほぼないかゆるい。という見立て。魚探の反応はかなり良かったので根からあまり距離を離さずにエントリーという感じで意見が一致。
ダイビング中、船上から見ててもほとんど場所は移動せず安全停止に入ってからも全く流れず、、、

上がってきたみんなの笑顔を見つつ船を寄せます。上がった時のゲストの反応、船長は結構気にして見ています

「ニザダイ祭り!!」かな子もゲストも嬉しそうで何より。

さて、2本目。
ミノティラは待ってても流そうな気配がないので湯瀬に移動したい、とかな子。
僕も賛成。

DIVE2 湯瀬(水温21度)

じっくり潮をチェック。
2人とも南西、やや強い?の見立て。
水面は少しざわついていますが激流ではない。魚探の反応も良い。
南西の時のはタイガー遭遇率高いので期待!

船から泡の動きを見てると前半はムレハタのところでタイガー待ちっぽい。
後半結構動いてたのであまり流れてないのかも、、、

出てました\(^^)/
初日からクライマックスみたいな盛り上がり。
シルキーもやたら多かったみたい。

DIVE3 口永良部島野崎(水温21度)

せっかくのべた凪なんでまたまた移動。
この時期ハンマー遭遇率の高い野崎をチョイス。
1、2本目とスタイルを変えて外洋ブルーウォーターの線で探る。
潮は南。ままあ速い?かな。魚探にボツボツ大物っぽい反応多め。

なんか期待できそう!

入っていきなりハンマーの群れと正面衝突で群れは散ってしまったみたい、、、残念。
思ってたより流れ早くて2kmくらいドリフト。
透明度は低かったみたいだけどハンマー、カマストガリなどサメたくさんでみんな笑顔。いいね!

初日はこんな感じで、とにかくこの海域は凪いでくれたら凄いんです!な1日でした。
尾之間温泉と民宿カメさんの伊勢海老鍋でぬくぬくに。

「結構時化とるよね、、、」

2日目。思ってたより波が高い。
潮と風とぶつかってるのか変なうねりもあり屋久島南部の調査中のポイントは断念。
途中ニヨンをチェックして無理なら口之島行きましょう、というリクエスト残してかな子は安定の爆睡タイムに(笑)

2時間半かけて口之島へ着いたが風はやや北に回ってて平瀬は断念。
港のヨーコで一本。
口之島の周囲でポイントを探すもどこも結構うねりが強い。
しかも激流。
さて、あと2本、どこ行こうかな、、、と思案してたら

「中之島行っちゃダメですか?」とかな子。

明日とポイント被っちゃうかな?と一瞬考えたけど、風裏が広い中之島の方が選択肢は広いし明日は明日だ。
ということでトーセロのイソバナ乱舞(満開だったらしい)とブルーウォーターハンマーリバー狙いの2本。

DIVE4 口之島港のヨーコ
DIVE5 中之島トーセロ
DIVE6 中之島ブルーウォーター
(いずれも水温22度)

中之島は緩めの潮だけどイソバナは満開。ハンマーは単発。カマストガリが急接近でぐるぐる回ってくれたらしくみんな笑顔!いいね。

夜は口之島民宿中村さんのアットホームな雰囲気に癒されます。
4日目は波浪4m予報のままということで、1日早く切り上げて一気に奄美へ下るという判断。翌朝に備え全員早めの就寝。

「一気に奄美へ」

3日目、朝から風はまあまあ強い。
前夜2人で話した予定プランは口之島平瀬ー中之島ー悪石島で一本づつ潜って18時半までに奄美入港。
でしたが朝チェックした平瀬はすでにうねりの中。
朝から中之島に移動して一本目。

「明日潜れないからこれぞクライマックス!なダイビングを探りたい」とかな子。
僕も同じ。

凪いだらすごい!は当たり前で、こんな時こそ僕らガイド陣の頑張りどころ。


移動が長いので時間的余裕は少ないけど焦らずやりましょう!ということで中之島の一本目はラクダ沖。

DIVE7 中之島ブルーウォーター(水温22度)

最初は手堅く根でじっくり、を考えていたけど沖の方に反応が少し。
どっちだ、、、
沖か、根か?迷う。

結果「水中で判断して良さそうな方に向かおう」となり外洋と沿岸の狭間でエントリー。
しかしエントリー後もあまり泡が、動かない、、、

何か出てるのか?

どっちに行くか迷ってるのか??

あ、動き出した。

あ、止まった。

根の方には届きそうもないな。

外洋に出るわけでもなさそう。

流れが回ってて動けない???

中途半端な位置に入れてしまったか、、、

やってもうたかも、、、

普段ガイドやってるので水中の様子、自分がガイドしてる姿をあれこれ想像してしまう。

どっちに行こうか迷っているのか?

変な流れだったのか?

魚がいない、、、のか???

そうこうしているうちに入ったとことほぼ同じ場所でチームは浮上。
頼む、なんかいいこと起きててくれてますように。

起きてました!!ずっとハンマーの群れの中にいたそうで!!

いや、すごすぎる。
みんなの笑顔が弾ける。

いいぞ!クライマックスきてるぞ!

DIVE7 諏訪之瀬島須崎(水温22度)

2本目は諏訪之瀬島へ移動。
須崎で潜る。
潮がちょっと難しい感じだったけどカマストガリが急接近!

でかい!

噴煙に追われるように悪石島へ向かう!
悪石島は年に2,3度来れるかこれないか?という感じでまだあまり潜り込んでいない。
いつも潜っている畝神やハヨームネは時化の真っ只中。
昔々潜ったことがある港近くのポイントを探るも反応は良くない。

どうする、、、
タイムリミットは迫っている。

DIVE8 悪石島NEWPOINT!(水温22度)

「少し沖の方、水深100mライン探れません?」とかな子。
今からブルーウォーターエリア探るのか?時間あるか??
と思いつつ探っているとこれまで全く気が付かなかった場所でいきなり駆け上がりが現れる。

90m、70m、40m、25m!
なんじゃここは!

魚探の反応も良いのでラストダイブはブルーウォーターから流して瀬を目指すことに。
ラストダイブがニューポイントなんて!ワンエクっぽいじゃないか。
前半はカマストガリやツムブリ。
そして駆け上がりを登っていくとそこにはタイガー!がいたそうです!

悪石島初のタイガー遭遇だ。
写真はちょっと、、、💦

悪石島に上陸して記念写真を撮って一路奄美へ。

時化の中の4時間半は大変でしたが、、、縦走クルーズ無事奄美に到着\(^^)/
頑張った、みんな。
頑張った、俺(笑)

ということで今回のルートです。

航行距離250浬、約460kmの船旅でした。

打ち上げの席で悪石島のニューポイント名が決まる。

命名「悪石島ムシャブルー」!!

由来は、、潜るときにね。

と言うことで最終日は奄美観光を満喫して解散となりました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
また次回!ムシャブルーで逢いましょう♪

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2025.03.17木村 尚之

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