ワンエクロゴ

春のロングトカラクルーズ 〜ワンエク航海記〜

こんにちは。
ワンエクガイドのかな子です。

春のトカラの締めとなるロングトカラクルーズ。
強風によって私たちを悩まさせた薩南トカラの海は、最後の最後に魅せてくれました。


7泊8日のロングクルーズ。
このうち凪は7日目午後と8日目のみ。

この最後の凪にかけて、前半は強風をしのぎながらのポイント選択となった。
幸い、風は東から。黒潮が当たる西側にポイントの多いこの海域としては、せめてもの救いである。
西側に潜ることができれば、範囲は限られるもののバリエーション豊かにご案内することができるからだ。

~水温がまだ19度台だった薩南、口永良部エリアはスルーしまっすぐトカラへ~

晴れた初日はイソバナの美しいポイントで「青く美しいトカラ」を堪能。
大物狙いのドリフトがメインと思われるトカラだが、手つかずのサンゴ、そして密度高く群生するイソバナの美しさにはいつも目を奪われる。

2日目以降はさらに風が上がり、潜れる範囲がシビアに。
ただ、それでもこの季節は凄い。
どこを潜っても、ハンマー、そしてカマストガリザメは必ずと言っていいほど姿を現す。

トカラのハンマーの太さには、いつも驚かされる。

その後、水温が上がった口永良部島で潜った時に出会ったハンマーと比べるとその太さは一目瞭然。

好奇心旺盛な個体が足元から突き上げて来るシーンが多く見られた。

~前半戦を終え、屋久島にて英気を養う~

後半戦、初日、晴れ。
この日のために取っておいた口之島「港のヨーコ」は美しかった。

あるタイミングでそのポイントに潜ることが、クルーズにとってベストだとしても、それは、そのポイントにとってはベストなタイミングではないこともある。
海況の厳しいトカラではそんな選択をすることも多いが、今回はこの日のためにここを大事に取っておいてよかった、と強く思うほど太陽光を浴びてキラキラ輝いて見えた。

~トカラは水温24度まで上がっており、25度近くのエリアもある~

19度から急激に上がった水温。
潮当たりの良いポイントでは水温計が25度を表示する。

黒潮がしっかり入ってきたことは喜ばしいが、海の様子は変わる。
急な温度変化に魚たちは驚いたのか、魚影は少なくなり、あれだけいたサメたちも姿を見せなくなる。
単体では現れるが、群れはいない。

枕崎に戻る前日、臥蛇島、小臥蛇島、芽瀬を潜り、確信。
水温が上がりすぎた。

~べた凪の最終日に、北上して勝負をすることを決断~

クルーズだから、できること。
その時の変化に臨機応変に対応し、ルートを変える。

出港してまず口永良部島まで北上。途中まで水温はまだ24度台。
しかし、島まで近づくと23度台に下がる。

期待に応えるようにイソマグロ、サメたちが出迎える。
浮上開始直前にはハンマーの群れも。
やはりこのくらいの水温がサメたちの活性は高いようだ。

天気も良く、穏やかな船上。
最終日にして訪れた凪に高揚しながらさらに北上。今年初の湯瀬へ。

水中では浅場と深場で透視度が違う。
浅場の青いエリアでは、交尾期と思われる傷をつけたカマストガリザメが数えきれないくらいうろうろ。
触れられるくらい近くまで寄ってくるから、ドキドキする。
深場にはハンマーの群れ。魚たちの活性も高い!

~そして、締めの黒島ミノティラへ~

一昨年の秋、調査クルーズにて発見したこのポイント。
ワンエクの完全オリジナルポイントであり、過去最大といってよい大発見である。

ミノティラ発見の航海記はこちら

緊張と興奮を胸に飛び込む。

根に着くと流石の魚影。
あちこちで玉になるニザダイ、カンパチにまとめられるウメイロモドキの群れ、鮮やかに舞うムレハタタテダイ、偵察に来るイソマグロたち。

魚と遊んでいるとバブホンが鳴る。
もしや!
遠目に大型のサメ。
特徴的な顔、模様…..タイガーだ!!

だが、ゲストの位置によっては見えにくい。
そして、魚が多いため現れた時に気付きにくい。
これでは全員で見れたとは言えない…..

その後も2度、いや、3度か。
違う個体と思わしきタイガーシャークが現れる。
いずれも気づきにくい…..

いや、まだまだ諦めない。

根の上で、水深を上げつつふっと前を見ると、まっすぐ向かってくるサメが。
カマストガリか?それにしては白い…..
横を向いて気付く。

タイガーだ!!!

正面から現れ、ぐるっと一周私たちを眺め、去っていった。
全員が、見ることができた。

↓こちらは先頭にいたHiroichi.N様のお写真。

↓こちらは最後尾にいたEichi.H様のお写真。

最後はウメイロモドキの群れの中に姿を消した。

ここまで頭を抱えて悩んだ7日間。
最後の最後、8日目でこれほど素晴らしい海を魅せられるとこれまでの悩みが全て飛んでいきそうだ。

打ち上げで、こんな嬉しいお言葉をいただいた。
「よく時化る。外れることも多い。でもそんな当たり前のない冒険をすることが楽しいんだ」

今年の春は特によく時化た。
水温も不安定だった。
正直、苦しい日も多かった。

でも、そんな中でもその時々の最善を尽くし選択をしていく。
そうすれば海はいつか応えてくれる。
この海域でクルーズをするということは、そういうことなのだ。

そして、それを理解し、どんなことが起こるのかとワクワクしながら、「当たり前ではない」景色を共に見に行こうとワンエクに乗り込んでくれるゲストの皆さまに支えられているな、と改めて実感したのだった。

写真提供:Hiroichi.N様/Eichi.H様


陸でもとっても楽しかった!
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました(^_^)

~これにて、2024トカラ春編、完!~


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2024.04.21後藤 かな子

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