2024.07.15
「止まって待つ」はダイビングの名言だ。
■Day.2nd
DIVE①中之島登崎
DIVE②中之島高元崎沖ブルーウォーター
DIVE③中之島高元崎
翌日はトカラ列島に入り込んだ中之島周辺で潜ることに。午後から大きな移動があるため、午前中に2ダイブ集中して潜った。
1本目は登崎沖をブルーウォーターで流す。個人的な大きな興味のひとつとして、生物相の境界があり、この辺りのエリアは前々から大きく注目をしていたエリア。前回来た時も、環境的なギャップを感じていたので、その辺を更に掘り下げてみようと、常にキョロキョロしながら、自分なりの変化を紡いでいった。硫黄島や口之島周辺にはそれほど見かけなかった、ミズガメカイメンが多く、その存在が黒潮の由来を感じさせてくれる。そんな水底にばかり目を向ける僕を、後ろから見守ってくれていた、かなこさんの水中ホーンが鳴る。ハッ!と振り向くと、小さな彼女の背後から、どデカい頭で、にたにたと半笑うイソマグロの変態が、いや、編隊が迫り来る。群れも基本は「止まって待つ」。そのおかげでこのイソマグロたちも、長時間にわたり、僕らの周囲を徘徊してくれた。「止まって待つ」ダイビングの教科書にも載せてもらいくらいの名言だと思う。
いや〜しかし面白い。実に面白い。
「本州における亜熱帯の海 串本」でダイバーとして育った経緯があるので、この辺りの環境というか、まさにギャップはとても興味深い。瀬につくサンゴの種もより熱帯のものが多く、依存するナンヨウハギもやたらと数多い。面白い。実に面白い。
お次に向かったのが高元崎沖ブルーウォーター。エントリー直後からまたダウンカレントが入るが、大きな城壁の根沿いを目指しひたすら流され泳ぐ。サメなどは遭遇しなかったのだが、浮遊しているプランクトンには面白いものが多く、弥次郎兵衛のような幼生と戯れながら中層ダイブを楽しんだ。ダイビングの終盤に乗った城壁のような根の上には、キンギョハナダイが大きな群れを作っていた。そこで前回は口永良部島野崎で見かけたアカネハナゴイを発見。前回は十分に撮影できなかったので、今回も課題としていたアカネハナゴイ。しかし、カレントが強くなり、僕だけそこに止まることもできないので、泣く泣く別れEX。次こそはしっかりと撮影したいものだ。