ワンエクロゴ

2024.07.15

「止まって待つ」はダイビングの名言だ。

■Day.4th

DIVE①新硫黄島アクアガーデン
DIVE②硫黄島ワンダーランド
DIVE③硫黄島水中オーロラ

水中オーロラ

翌朝も朝からどんよりと小雨が降り続く。しかし、低い雲が硫黄島にかかっている光景は、秘境っぽくてなんだか良い。港内の濃い茶色の水がそうさせるのか「特別な場所感」は非常に強い。

最初は水中オーロラを探しに、島の周辺を30分ほど走るも状況は良くなく、ひとまず風の裏になるポイント アクアガーデンへエントリー。天気の影響もあり、水中も薄暗い状態だったが、潮の加減もよくキンギョハナダイの群れも美しくまとまり、ハナゴイの群れも壮観だ。鬼界カルデラのダイナミックな地形を飛ぶように泳いでいるのも、気持ちがいい。天気が良かったらまた素晴らしい景色なのだろう。

そして2本目は、この辺で趣向を変え「マクロ狙いをしてみましょう!」ということに。大きな根が水深5mから水深30m付近までストンと落ちる。その際にはアケボノハゼがいる。しかも結構たくさんいるじゃないか。その付近の岩の窪みにはスミレナガハナダイの可愛い幼魚に混じり、ベニハナダイの幼魚も見える。思わず唸るラインナップじゃないか。硫黄島のポテンシャル恐るべし。余談ではあるが潜る前に木村さんが「アケボノハゼのエリアから沖に向かって泳いで行くと、スジクロユリハゼがブワーッと群れているらしいですよ!僕は見てないけど…」と、言われていたので、「こりゃ、せっかくだから見てこないと」と思い深いところをせっせと沖に向かったが、僕の目に飛び込んできたのは、一面でホバリングする無数のオグロクロユリハゼだった…。まぁ綺麗だし!これはこれで良し。

その後、木村さんの不得意分野(大人の眼的に)で、曰く「人生最後のピグミー」を紹介してもらったが、顔を完全にヤギに突っ込まれていて、全く撮影することができなかった。木村さん、さすがに顔までは見えませんでしたよね。でも気持ちは伝わりました。次回最後にもう一度だけ見に行きましょう。と、そっと心に留めてその場を去った。

根の頂上付近まで戻るとかなこさんが手招きをする。なんだなんだと着いていくと、そこには直径1、2mmほどの、小さい小さいホヤの仲間が。かなこさん曰く「チビ魔王ボヤ」という愛称をつけたそうだ。確かに小悪魔のような角まであるし、アップにしてみたら「あっかんべー」をしている!確かに可愛い。でも絶対、木村さんには見えないんだろうなぁと、思いつつ、まだギリギリ肉眼で見ることができた自分にホッとした。ダイナミックな硫黄島だけど、マクロダイブもかなり楽しい、これも大きな発見となった。

いよいよ旅の最終ダイブを迎えた。降り続いた小雨も上がり、鈍く分厚かった雲も少し晴れ、硫黄島の噴煙も見えてきた。

「ラストチャンスでオーロラを探してみましょう」

一縷の望みをかけて、今一度島の周りを船上から捜索してみることに。すると、朝イチには全くブルーウォーターだったところに、硫黄の茶色い成分が溜まっている箇所がある。水中オーロラが綺麗に見るには、いくつかの条件が重ならないと難しいらしい。水面から見て、良さそうだと思ったところでも、水の中に入ると、ただ濁っているだけだった。ということもザラにあるという。すなわち潜ってみないことには分からないのだ。

木村さんを先頭にエントリーしていく。水深10mで留まり中層を流していく。徐々に濁りの層がズンズンと近づいてくると、綺麗に下層の良い流れの潮と分離して、美しい水中オーロラに包まれた。

刻一刻とその姿と色を変える水。溶解と分離が同時に行われている自然の美。何度味わっても不思議な空間だ。この時居合わせたゲストの皆もこれは嬉しかっただろう。なかなか、難しい梅雨の天気に翻弄されながらも、イタチザメでド派手に始まり、嵐やダウンカレントに翻弄されながらも、見事なオーロラで締める、なんて贅沢で、不思議なトリップなのだろう。興奮や喜びも落胆があるからより盛り上がもの。僕たちの本能的な好奇心をどこまでもくすぐり、刺激するのがこのトカラ列島トリップ。

個人的にもまだまだやり残したことが沢山ある。また刺激を求めてワンエクの冒険の旅に乗り込みたいと思う。次は縦断かな?笑

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