2024.08.15

2024玄界灘フォト企画完全撮り下ろしレポート

DAY4

• ①オロチの尻尾
• ②オロチの尻尾
• ③LEGO

フォト企画2日目。この日は小呂島で3ダイブすることに。まずは今回2度目となる小呂島の東側のポイント、オロチの尻尾へとエントリー。前日の大雨により、透視度は落ちこんでいたが、もはやそんなことはどうでも良いのだ。ここの見どころは巨大なソフトコーラルの群生だ。水深20メートルの海底には、白く幹の太いソフトコーラルがそこら中に群生していた。イサキの群れもウォールとまでは言えないが、迫力のある密度で中層を制圧。時折キビナゴがカンパチなどに追われて目の前を疾走していく。巨大なソフトコーラルに魅了され、続けて同じポイントをリクエスト。ソフトコーラルが覆う美しい沖の根を目指すが、一本目とは潮が変わり頭を垂れている。そう、枝垂れ桜である。どんな時でも否定的にとらえず自然を愛でる事ができる人は、今後のダイビングライフもきっとハッピーに違いない。万物に優越をつけない寛容な心が、日本人のもつ侘び寂びの文化の根源にあるのだから。

そして、フォト企画第1弾のラストダイブとなったのは安定のLEGO。この日は晴天ということで、陽の光も水底まで十分に届き、どことなしか魚達も気持ちよさそうに泳いでいるように見える。過去にLEGOではアカオビハナダイとイサキの群れを絡めた写真を何度も撮影してきたが、今年はアカオビハナダイの群れの規模も大きくなり、狙いやすくなっている。浅瀬のスロープに群れるキンメモドキも相変わらず凄まじい数で、一見すると波消しブロックに繁茂する海藻が蠢いているようにも見える。今年から新たに始まった2日間の玄界灘フォト企画。ゲストさんの撮れ高が気になるところだが、水面に浮上した時の皆さんの笑顔が全てを物語っていた。カメラのメディアに残るデータも大切だが、最も多くの容量をもつ記憶媒体はそれぞれの脳内にある。そこにどんな情報が刻まれていったのかは、表情に溢れ出てくるのである。