ワンエクロゴ

2025.08.15

 玄界灘・沖ノ島に棲みついたミナミハンドウイルカの家族との交流物語

Photo & Text:Wonder Sea Explorer Under water photo Trooper Takaji Ochi

プロローグ

2025年、2年振りの再会はたった一度のチャンス

「イルカは、ダイビングが全部終わってから最後にトライしてみますね」ワンエクのオーナーガイドの木村尚之さんにそう告げられていた。『ワンチャンか…。』僕は深く頷きながら、久しぶりに再会できるかもしれない家族、いや、恋人にでも逢えるかのように、ダイビング休息中、彼らがいつもいる港近くや岩礁の方をずっと眺めていた。

沖ノ島に潜る日は毎回、到着した時に「島自体が御神体とされる沖ノ島に向かい、二礼二拍手一礼をしましょう」という木村さんからの船内アナウンスが流れる。神様へのご挨拶と、皆が無事にダイビングを楽しめるようにお祈りを捧げることがほとんどなんだけど、この日の僕のお祈りのメインは、『どうかイルカたちに再会できますように…』だった。

2年振りに会えるかもしれない、沖ノ島のミナミハンドウイルカのファミリー。しかし、彼らがちゃんと姿を見せに来てくれるのか?それ以前に、白波立って、コンディションが悪くなりつつある海を見つめ続けながら、また昨年のように、コンディションが悪くて、出会う機会を失ってしまうのではないか…と気が気では無くて、正直ダイビングに集中できていない自分がいた。

その日最後のダイビングが終わると、皆が器材を片付ける中、早々にウェイトベルトとフィン、マスクを船尾に持って行き、カメラハウジングから、ストロボとアームを外して、いつでも海に飛び込める準備を整えた。『おいおい、期待度マックスかよ…。大人気ない』

あまり期待し過ぎると、来てくれないのじゃないか、もう少し気持ちに余裕を持った方が良いのじゃないか…

『抑えて、抑えて』心の中でそう呟きながらも、そんな気持ちとは裏腹に、ウェイトベルトを腰にセットし、フィンを履いて、マスククリアして準備万端。ダイブデッキに立ち、カメラの設定も何度も確認していた。

『逢いたい、逢いたい、沖ノ島の、宗像の姫神様どうかお願いします』

多分あの時の僕からは、そんなオーラが出まくっていたに違いない。『大の大人が、何してるんだろうな 』と思いながら、子供のようなそんな思いを隠すことができずにいた。

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