ワンエクロゴ

2024.05.15

未知なる体験を切望する“真の冒険者”たちが集う海

「5%の可能性の中で光るプロ意識」

4ノットを超える激流の中を、500キロを超える距離を移動するトカラクルーズ。その果てしない航海の舵を握るのは、この海域での経験豊富な平田船長。そして、その日、その瞬間の風向きや潮流の速さ、魚の反応などを瞬時に判断し、ベストな潜り方を選択するガイドの木村さんとかな子ちゃん。そんな百戦錬磨のワンエクのクルーをもってしても、トカラのダイビングで起こることの95%は自然に委ねるしかないと言い切る。では、残りの5%でどのような選択をするのか。それはガイドとしての過去の経験則から向かうべき道筋が決められていく。どんなに厳しい状況でも、必ずベストを尽くしてくれる彼らのプロフェッショナルな姿勢にはリスペクトしかない。それはまるで一流料理人の仕込みの姿を見ているようであり、そのプロセスを共有することに価値があるのだ。今回のクルーズでも湯瀬と黒島のミノティラというポイントで数回におよびタイガーシャークと出会うことに成功した。厳しい条件を乗り越えた末、ガイド陣の読みが的中して出会うべくして出会った奇跡の遭遇はゲスト一同を歓喜させた。個人的には、狙った構図が裏目にでてしまいシャッターを切るのを躊躇ったので来季への課題ができたが、この後の打ち上げが盛り上がったことは言うまでもない。

激流の中を進むダイバーの吐くエアー
激流の中を進むダイバーの吐くエアー

「人間の無力さを実感できる大きな自然がそこにはある」

「大海の一粟」という言葉がある。まさに人間はこの大きな海の中では一粒の粟のような小さな存在である。それを実感できる世界がまだこの地球上に、この日本に存在するのだ。そのような貴重なクルーズに乗船させていただき、取材を通して感じたことが一つある。ただ生物に寄って捉えた写真を量産することに何の意味も無いということだ。「どうだ、凄いだろ!」と自らの泳力やアプローチの技術を競うのが写真ではなく、そこで何かを感じ、何かに惹かれてシャッターを切る。その行為そのものが写真なのである。それはダイビングも同じ。なぜそこへ潜るのか、その過程や想いが大切なのだ。昨今、SNSなどを通して海の情報は氾濫している。いつどこに潜ればどのようなシーンに出会えるか。そんなメニュー表のようなものを頼りに目的地へと出かける。手に取るように世界の海の情報を掴めるという意味では、自然界を人類が掌握しているかのような錯覚に陥る危険性を秘めている。まるでテーマパークへ出かけ、あらかじめ調べたコースを巡り、お気に入りのアトラクションへ乗るようにダイビングを楽しむ。それはいずれバーチャルの世界に置き換えられていく。果たしてそれは真の冒険と言えるのだろうか?スタンプラリーをするかのようにハンマーゲット!タイガーゲット!と自然を支配下に置くような思いでシャッターを切る行為を私は望んではいない。前述したように、私にとってトカラは人間の無力さを実感できる場所。そこでは魚にも潮の流れにも抗うことなく、ただカメラを構えてひたすらその時が来るのを待つしかないのだ。

ワンエク(Wonder Sea Explorer Dive Cruise)が目指す海は、人間の想像を遥かに超えた、未知なる体験を切望する、“真の冒険者”たちが集う海なのである。

遠方に出現したハンマーヘッドシャークを目視した瞬間の木村さん。
まさに「職人の背中は語る」
遠方に出現したハンマーヘッドシャークを目視した瞬間の木村さん。
まさに「職人の背中は語る」

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