2024.01.15
奄美から枕崎までのワンエク・トカラ縦走クルーズ上り(3月と10月に乗船して)
Wonder Sea Explorer underwater photo trooper : Takaji Ochi
2023年3月と10月にトカラ縦走クルーズに乗船
2023年の3月と10月、Wonder Sea Explorer(以下ワンエク)のトカラ縦走クルーズ(上り)に乗船した。昨年からスケジュールが合う時には”Wonder Sea Explorer underwater photo trooper”として、ワンエククルーズに乗船してSNSで情報を発信してきた。
ワンエクは、オーナーガイドである木村尚之さんの長年の夢でもある、未開の海トカラを中心に日本の海を開拓していきたいという思いから2022年ゴールデンウィークに就航した日本では唯一と言っても良い長距離ダイビング専用クルーズ船だ。荒波にも強い、釣りの瀬渡し船であった船体をダイビングクルーズ船に改良している。これは、黒潮のぶち当たる荒々しい海を、波を切り裂いて航海する上で最も適した船体構造であると言える。正直、「え!こんな荒波の中を移動するの?」と何度思ったことか!
ワンエククルーズでは、トカラ縦走のほかに、硫黄島水中オーロラ、トカラクルーズ、九州縦断、玄界灘クルーズなどにも乗船。それに関しては、また後日記事にするとして、今回は、2回のトカラ縦走クルーズに乗船した時の様子をレポートする。
日本の秘境!トカラ列島
トカラは、吐噶喇列島と書き、南から横当島、上ノ根島、宝島、小島、小宝島、悪石島、諏訪之瀬島、平島、臥蛇島、小臥蛇島、中之島、口之島の12島を指す。このうち、有人なのが、宝、子宝、悪石、諏訪之瀬、平、中之島、口之島の7島。そのほとんどが、人口100人に満たない、大自然と黒潮の海流に囲まれた島々だ。
この北には屋久島や口永良部島、硫黄島、竹島、黒島のある大隅諸島がある。(硫黄島、竹島、黒島は、上三島と呼ばれ、同諸島に含まれるとする説と、含まれないとする説があるとされている)。トカラ縦走クルーズは、奄美大島から、このトカラ列島と大隈諸島を潜りながら、鹿児島の枕崎までを北上する上りルートと、その逆に枕崎から奄美大島まで南下する縦走下りルートが企画されている。総移動距離は約500km。東京の竹芝から八丈島までの移動距離とほぼ同じ。そんな広範囲のまだまだ未開拓の海域を移動しながら潜るというだけで、期待感は増大する。
トカラ列島は日本国内でも“最後の秘境”とも言われるダイビングエリアだ。黒潮のぶち当たる荒々しい海域に、火山の噴火でできた小さな島々が南北に転々としている。距離にして約160km。天候が急変することも多く、風除けになる島々は距離が離れていて、しかも小さく、普通のダイビング船では、中々北上や南下を完結することが困難な海でもある。そんな中、ワンエクは今年4回企画したトカラ縦走を全て完結させることができた。