2026.04.25
『魚の道』を探るダイビングスタイル
2025年、新規ポイント開拓の年
こうした積み重ねの集大成として、新ポイント開拓が多く行われたのが2025年だった。
6月13日、最初にリサーチしたのが、Japan Expressと名付けたポイントである。
この海域には地元で有名なポイントがある。しかし木村さんは、根に捕まって待つだけのスタイルがあまり好きではなかったという。
それなら、その手前の潮をドリフトしながら生き物を探す方が面白いのではないか。
さらに、屋久島でいつも世話になっている民宿かめのオーナーでもある漁師さんから、「その流れのエリアは魚がよく釣れる」と聞いていたことも背中を押した。
結果は、カマストガリザメやハンマー、タイガーシャーク、そして50匹を超えるロウニンアジの群れだった。
このポイントでは、西からの流れが強いと、浅い根にぶつかり、潮が二手に分かれる。北回りと南回りだ。Japan Expressは、北回りの流れに乗って根を右手に回り込む。
激流時には、水深30〜40mの砂地を流しながら最後にたどり着く根に潮がぶつかり、激しいダウンカレントになることもあるという。
今回僕らが潜ったときは、想像ほど潮は速くなく、明確なダウンカレントは感じなかった。それでもハンマーやロウニンアジの姿は確認できた。
その南回りルートを左手に回り込む形で開拓したのが、8月14日に開拓したJapan Extreme。いわば双子の兄弟のようなポイントだ。
ただし、こちらは穏やかではない。
途中に連なる浅い根を抜けた瞬間、吸い込まれるような激流に捕まり、吹き飛ばされるようなダウンカレントとアップカレントに見舞われる。
船上から見ていても、「ここを流すのか」と思うような潮だった。
そこへ至るまでのドリフトでは、カマストガリザメやハンマーを眺めながら、やや速い流れに乗っていた。だが浅い根に差しかかった瞬間、身体は引きずり込まれ、吐いたエアは螺旋を描きながら身体にまとわりついた。
直前にはロウニンアジの群れも飛び出してきたが、一瞬で消えた。夏に増えるのか。潮回りによるものか。そうした答えも、これからのリサーチで見えてくるのだろう。
さらに忘れてはならないのが、8月24日に発見したHell Fireと名付けた隠れ根だ。
トップは水深30mほど。しかし海図には載っていない。
「時折、海図に載っていない根というものが存在するんです」
屋久島から枕崎へ船を回航する途中、快晴で凪だったため、以前から気になっていたこの場所を調べてみることにした。
2人しかいない。1人が船長を務め、1人が潜る。
最初のリサーチに名乗りを上げたのは、かな子さんだった。
ムレハタタテダイが乱舞する根を背に、彼女が目にしたのは5〜6匹の巨大なタイガーシャーク。好奇心の強い個体はかなり近くまで接近してきたという。
その時の映像には、水中で彼女が「こわいー!」と叫ぶ声まで残っている。




