2026.07.01
鬼界 KIKAI
撮影が困難な海
ここまでは写真展への意気込みや作品に対する思いなど心理的な部分について書きました。勿論、現場でどのように思いを作品に落とし込むかは自然相手なので常に流動的です。私はなるべくありのままの状態を無作為に伝えていきたいと考えています。しかし、鬼界カルデラはあまりに巨大すぎて、どのようにまとめれば良いのか正直とても悩みました。鬼界カルデラをテーマにしたいと思ったのは2022年のこと。NHKの自然番組「ワイルドライフ」の撮影で長期間にわたりこの海域を撮影したことがきっかけでした。しかし、当時はコロナ禍ということもあり、カルデラの外輪山である薩摩硫黄島への上陸は制限されていました。番組の撮影の合間に記録用として写真も撮影していましたが、同じようなイメージの写真を量産し、自身のSNSなどで発信するだけでした。ワイルドライフでメインとして扱われた「海中オーロラ」は、今やこの海の象徴的なイメージとなりましたが、それは硫黄島周辺のごく浅い海域です。しかも、50日以上かけたロケの中で納得のいくオーロラのイメージが撮影できたのはわずか数日のみ。あとは海況や天候、風向きに翻弄される日々でした。今思えば、何事にもポジティブなガイドの木村さんや船長、ワンエクのスタッフの方々と一緒でなければ最後まで撮影は完遂できなかったかもしれません。それほど自然の厳しさに翻弄された撮影でした。






