2026.09.15
来訪神と航海民 〜それらはどこから流れ着いたのか〜
ボゼを待つ
高波を乗り越えながら悪石島周辺まで辿り着き、奇岩・ハヨームネで2本目のダイビングを終えたワンエク一行は、予定通り16時前に無事に悪石島への上陸を果たした。木村さんが古くからお世話になっているという、民宿を営んでいる有川和則さんにお会いし、祭りのスケジュールを聞く。最初テラと呼ばれる墓地のある広場で盆踊りが始まり、その後は校庭へ移動したあと、17時頃にどこからともなく三体の来訪神(ボゼ)が現れるのだという。その日の宿はここから1時間半以上北上した口之島である。暗くなる前に悪石島を出なければ航海に危険を伴うため、島を離れるタイムリミットは17時過ぎ。我々がどうしても見たいのは仮面神のボゼだが、果たして間に合うのだろうか。そんな我々の心配は他所に、祭りの参加者たちはゆったりとした島の時間に合わせるかのように、前触れなくゾロゾロと広場に集まりだしたのである。









どこからともなく集まりだした村人達。時間になると突如踊りが始まった。



歌や踊り、鐘や太鼓の音で来訪神を呼び込む。そしていよいよその時が来た。
校庭に移動し、再び盆踊りが始まる。次第に島民が打ち鳴らす太鼓や鐘の音が大きくなっていく。時計を見ながらいつボゼが現れるかしきりに周囲を見渡す。そして、太鼓を打つリズムがゆったりと変わると、突如その時が訪れた。赤土を体に塗った不気味な仮面姿をした三対のボゼが体にまとったビロウの葉を揺らしながら凄まじい速さでこちらに走ってきた。太鼓のリズムに体を揺すりながら怪しい動きで手に持ったボゼマラを振り、人々に赤土を塗りたくっている。その迫力に泣きじゃくる子供たち。大人たちは笑みを浮かべながらその光景を楽しんでいるように見える。なんてシュールな光景なのだろうか。個人的には、ボゼに泥を塗られた木村さんの日頃見せない少年のような表情が最高だった。



どこかパプアニューギニアの部族の仮面を思い起こさせる独特の見た目のボゼ。果たしてそのルーツは何処から来たのか。

