2026.09.15
来訪神と航海民 〜それらはどこから流れ着いたのか〜
洗礼
今年の夏はエルニーニョ現象やモンスーンジャイアの発生などで、各地で豪雨災害が多発するような異常気象に見舞われた。台風も8月で20号を超えるという異例の発生数で、移動するコースも沖縄や奄美地方などに長く影響を及ぼすものが多かった。そうした中で開催された夏のトカラクルーズはある意味大きな賭けに等しい。今回私は二つのツアーを跨ぐ形でワンエクに乗船させてもらったが、出発前まで何度も天気図と睨めっこすることになった。

取材で乗船した1つ目のクルーズはトカラ列島の中心にある悪石島の奇祭・ボゼの取材をメインとした企画。そして2つ目はトカラの外洋を攻めるエキスパート企画である。どちらもゲストメンバーは屋久島で集合し、初日は屋久島の栗生にある民宿亀さんに宿泊。2日目からトカラを目指し、口之島の民宿中村さんをベースとするような旅程となる。当初私は、ゲストさんより一足早く鹿児島空港から枕崎へ移動しワンエクと共に屋久島へ入港する計画を立てていた。しかし、台風18号の影響で鹿児島入りが2日遅れ、予定を変更してゲストさん達と同じタイミングで直接屋久島入りすることになった。しかし、羽田からの朝一の便で鹿児島空港へ到着すると、なんとフライトキャンセルで屋久島行きの便が欠航となる。慌てて高速バスで鹿児島本港へ移動し、高速船トッピーで屋久島の宮之浦港へ向かうことにした。そんなこんなで屋久島へ着いたのは14時過ぎ。港で出迎えてくれたガイドの木村さん、かな子ちゃんの二人は時化のため枕崎から出港できず、前日に飛行機で屋久島入りしたという。初日のダイビングは中止となり、民宿で一息ついていると、ワンエクのターボ船長が宿へ到着した。過去3本の指に入るほどの荒波の中、枕崎から屋久島の栗生までワンエクを回航してくれたという。
「アネロンを飲んでも船酔いするほどだったよ。」
船長の疲れた表情から、翌日からの困難な旅路のイメージが脳裏をよぎる。鹿児島港から悪石島へ向かう翌日のフェリーもかなり前から欠航が決まっているという。今回欠航したのはボゼの祭りに参加するはずだった約50人の旅行者が乗船するボゼ臨時便である。果たして無事にトカラでダイビングしながら悪石島へ向かうことができるのだろうか。悪石島へ辿り着けるかは五分五分だという。


